今回もドラッカーの名言から学んでみましょう。
成果を上げる人はどんな人か、どんな考え方で、どんな行動を取るのか追求します。
あわせてマネジメントの基本と原則とは?
自分はもちろん、どうすればチームや部下を意欲的な姿勢にみちびけるのか、
日々悩みご苦労のあなたに、きっと気付きを与えます。
最大の財産かつ一番のムダの原因ともなる、社員の働き方をどう変革するか。
中間管理職の永遠のテーマ、さあ学んでください。
Contents
○ 目的、目標を明確化する
「事業の目的をより“具体的な目標”に置き換える」
ドラッカーの教えに従い、仕事の全工程の洗い直しを行うと、さまざまなムダが
見えてきます。
それを要らないものから順に捨てていけば、ムダな仕事や部署、工場、子会社、
会議等々を一掃したなら、より効率的な仕事のあり方を再構築することができます。
ただしせっかくそのように効率的なしくみを用意しても、それを担う肝心の
”社員の意識”が旧態依然でムダを抱えたままであれば、利益の出る組織に
生まれ変わるのは難しいです。
この意味でムダの根本は、利益に貢献できない、働きのよくない従業員とも言える。
そこで社員の意識を変え、働き方を改めていく必要があります。
ではどうすればいいか?
ドラッカーは、具体的な目標を設定すべきだとして、こう言います。
「事業の定義は、目標に具体化しなければならない。そのままでは、
いかによくできた定義であっても、優れた洞察、よき意図、
よき警告にすぎない。」 (マネジメント)
つまり社員の働き方を変えるには、組織として達成すべき目的を、
具体的な目標に置き換えて、それに向かって社員のベクトルを
合せていきなさい、ということです。
そして目的・目標はそれぞれ多くても3つまでにとどめたいです。
○ 成果のあがる人・組織とは
そしてドラッカーの考える、成果の上がる組織は、次の言葉で
言い尽くされています。
「組織に働く者は、共通の目標のために貢献する。
彼らの働きは同じ方向に向けられ、その貢献は、隙間なく、摩擦なく、
重複なく、一つの全体を生み出すよう統合される。
事業が成果をあげるには、一つ一つの仕事を、事業全体の目標に
向けなければならない。」 (チェンジリーダーの条件)
要は全社員が目的をしっかりと共有し、具体的な目標に向かって、
ベクトルを一つにすることが、会社を成長させる一番の近道ということです。
なお目的・目標は、短くわかりやすくが、鉄則です。
○ 市場で勝ち残るには?
ビジネスにおいての目的・目標、究極はライバルと差別化し、勝ち切ること。
市場競争で勝利する典型スパンは、以下となります。
()内はキーとなるアクション等です。
(開発・企画部門の開発力・事業化力)2 競争激化による低価格化
(生産部門等、徹底したコストダウン活動等)
3 より付加価値の高い製品・サービスの導入
(新規開発により、価格の低下を防止)
4 低コスト製品・サービスの導入
(超価格化対策)
5 成熟した市場での勝負
(成熟市場・技術では、徹底した合理化と市場ニーズの迅速な把握が、
より重要となる)
極論、このサイクルを、PDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)交え、
繰り返すことです。
○ 目的・目標達成へ、山の登り方は自分で考えさせる
事業の目的や目標というのは、言わば「大きな山に登ろう、登るのはあの山だ」
と言って、”なすべきこと”と”その中身”を、具体的に指し示すことです。
こうして何をどうすれば良いのかを、全社員に明示し、ベクトルを一つに
することです。
そして”脱管理”の自律分散型の組織を目指したいです。
指示待ちでは、モチベーションも高まりませんし、成長にも限界です。
目的・目標には、方向付けを示しても、それをどうやって実現するかの
具体的な手段までは明示しないこととしましょう。
示すのは”あの山に登る”=ゴールの明示で、まずは留めるのです。
どうやって登るか、どのルートを選ぶか、どんな機材や準備が必要か、
資金はどれほど見越すか等々、自ら考えるということです。
この点ドラッカーも、「働き手を動かすのは自主性である」
「仕事の大部分については、部下たちにやり方を考えてもらわなくてはいけない。」
(ドラッカー先生の授業)と述べております。
○ マトメます
成果をあげるには、すなわち適正な目的・目標の設定からです。
またマネジメントの基本と原則っても奥深いので、一言で括れないところ。
シリーズもので補足し、追いかけて行きますので、今少しお待ち下さいね。
そもそも最初は、適切な目標設定も難しいと思います。
手段が目的化しがちで、履き違えないことが大事です。
また目標を達成した個人や部署は、キチンと評価し、適度に表彰・報奨なども
良いでしょう。

こんな記事もご参考にどうぞ。
本日は区切りで、ここまでとしまして、続編を次回に持ち越します。
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